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経済格差が友情を妨げる「子猫をお願い」
映画 「子猫をお願い」

高校時代というのは、小中学校より大学より生涯の友を得ることが多いと言う。 たぶん一般的な日本の地方の公立の小中学生にとっては、高校が一番、同じような学業成績や親の懐具合、もしかしたら信条的なものも、自分に近い人と出会う可能性が高いからだと思う。

しかし私は思う。 その友情を保ち続けるのは意外と大変だと。

例えば、地元に就職や進学をする者と、都会へ出て行く者。
現役で大学に合格した者と、浪人。
第一志望が叶った者と、意に沿わない進路に進まざるを得なかった者。
卒業後にそれぞれの環境が一番変わりやすいのではないだろうか。

物理的に離れてしまったために疎遠になる場合は、お互いにわかりやすい。 マメに連絡をとるような性格か、新しい環境に馴染めているか。

問題はそうでない場合。 つまり出自は近かったはずなのにいつの間にか価値観が違ってしまったような場合とか。

この韓国映画を観てそんなことを考えた。

高校時代に仲の良かった5人の女の子の、その後の友情と葛藤を描く。
子猫をお願い美人で野心家のヘジュは大企業に就職し、お金は洋服につぎ込むような生活を送る。 テヒは横暴な父親の店でタダ働きをさせられ、その閉塞感からボランティアに励む。 今にも崩れそうな家で祖父母と暮らすジヨンは定職を得られず、テキスタイルデザインの才能を生かす場もないまま友だちから借金を繰り返す。 中国系の双子、ピリョとオンジョはマイペースで明るい。

映画はヘジュとジヨンの対比を軸に進む。
「持てる者」ヘジュには恋人もいるし、上司からも誘われるし、お金もあるし都会に住む。 一方「持たざる者」ジヨンは職も無く両親も既に他界し、スラムのような所に住んでいる。

ヘジュはジヨンにお金を貸したが返してもらっていない。 そのせいかジヨンを軽蔑している。
ヘジュはジヨンが貧しいのを知っているのに、目の前で高い洋服を買う。 ジヨンはその無神経さとミジメさからヘジュを快く思えない。

これほどの二極分化を高校時代に予想できただろうか。
こんな二人が今更仲良くできるのだろうか。

友だちと旅行をするとして、一人はケチケチ貧乏旅行をしたいと言い、一人が豪華なホテルに泊まってブランド品を買い漁りたいと言うようなものだ。 それでも一緒に行こうとするなら、どちらかが妥協するしかないが、そうまでして一緒に行くより、普通は同じプランを望む相手を探すだろう。そんなことが重なれば、友情にヒビが入りかねないだろう。 

ここで出てくるのが、両方の橋渡し的役割をするテヒの存在だ。
テヒの奔走は「いつまでも仲良し」幻想に支えられていると私は思う。
家事手伝いで、ある意味モラトリアムでいるテヒは、5人組で楽しく充実していた高校時代の名残をとどめておこうとしているようだし、テヒ自身、どこにあるかわからない自分の居場所を探し続けているようだ。
ヘジュとジヨンのかけ離れてしまった状況を思えば、繋ぎとめようとすることは容易ではない。 夢見がちなテヒの優しさは人の善さと安直さに見える。
それに繋ぎとめることが本当に二人のためになるのかも悩めるところだ。
本当の優しさとは何かを考えさせられる。 

最後のシーンに賞賛の声も多い。 
しかし、私にはそれが新しい一歩を踏み出すというよりは、逃避にしか見えない。 
「いまここ」で踏ん張りきれない者は、どこへ行っても辛抱しきれない。
(踏ん張る地盤さえないジヨンは別だが) 
あの旅立ちが私には危ういものにしか見えないのだ。 
父親のお金を黙って持ち出し、行く先も決めずに飛び立とうとする二人の前途が洋々としているか、ペシミストである私には疑問だ。

たぶん私は彼女たちの世代とは離れてしまったのだろう。
その意味では、ヘジュに私はエールを送りたい。

彼女は同窓生5人組のなかでは一見勝ち組に見えるが、社会に出れば高卒の雑用係だ。 勝ち組と負け組の構図は一元的ではなく多層をなし、彼女もまた挫折感を味わう。 しかし、その場にしっかりと自分の足で立ち、その挫折感を乗り越えて、必ず初志貫徹とばかりにいい男を捕まえそうだ。 
そのシブトさを称えたいと思う。 

WOWOWにて録画 爽やかさに☆☆☆☆★
| movie at home | 23:20 | comments(2) | trackbacks(4) |
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| - | 23:20 | - | - |
こんばんは、TBありがとうございました。
この作品の素晴らしさは、何よりも登場人物にもそれぞれに
良い面・悪い面があって、見る人によってどの登場人物に肩入れするか
変わってくるところにありますね。
私は、同じようなラストでも、『ゴーストワールド』ではただの逃避に思え、
『子猫をお願い』ではそう思いませんでした。
というのも、作品内でテヒ自身が言っているように、「嫌だから逃げた」のではなく
心の底からジヨンを助けようとして、今いる場所を去ったのですから。
決意の瞬間に、踏ん張るべき場所と、立ち去るべき場所を見切ったように思います。
| 丞相 | 2005/07/02 11:46 PM |
丞相さま

コメントありがとうございます。
確かに見る人によって感想は違うというか
私は捻くれているのかも(^^ゞ

私にはテヒはジヨンを助けようとして今いる場所を去ったのではなく
ジヨンのことはテヒにとって単なるきっかけに過ぎなくて
深層心理は家族がイヤ「いまここ」にうんざり
→ でも家族がイヤなんて理由は子供っぽくてカッコ悪い
+ ジヨンが可哀相(これは本心だと思う)
→ 一緒に新しい場所へ
という構図に見えたのでした。

ただその鬱屈したテヒの気持ちもわかるし
旅立てる軽やかさが羨ましくもあります。
| mambotaxi | 2005/07/03 10:19 AM |











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【あらすじ】 商業高校の卒業式が終わってはしゃぎ回る女の子五人。テヒ、ヘジュ、ジヨン、そして双子の姉妹ピリュとオンジョ。彼女たちはこれから別々の道を歩むことになる。テヒは家業のサウナ店を無給で手伝いながら、小児マヒの詩人の口述筆記ボランティアをし
| Swing des Spoutniks | 2005/07/02 11:35 PM |
(注意:この文章の後半部は多分にネタバレを含みます)   この映画で描かれている話、学生時代はあんなに仲が良かったのに、今はどうしてこんな風になっちゃったのだろう…… 実際、こういうのはどこにでも転がっている話です。  
| Swing des Spoutniks | 2005/07/02 11:35 PM |
『子猫をお願い』のレビューの最後は、映画のラストに関する以外は話があちこち飛びまくってます(しかもやたらめったら長いっ!)。この映画のラストと、それに至るまでの経緯に思うところある人ならば何か心に引っかかるものがあるかもしれないのですが。(以下、ネタ
| Swing des Spoutniks | 2005/07/02 11:36 PM |
高速道路の下に使われなくなった鉄道線路があり、その線路に沿ってバラックが並んでい
| Days of Books, Films | 2005/07/03 9:18 PM |