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Fluctuat nec mergitur「そして、ひと粒のひかり」
2005.10.29 Saturday
「そして、ひと粒のひかり」
渋谷・シネアミューズに行ったのは初めて。 だいたい映画は必要がなければ銀座でしか観ないので。 銀座や六本木の、設備の整った綺麗で大きな映画館に慣れると、アミューズの小さな芝居小屋みたいなむき出しの天井とか、休憩中の安っぽい赤いライトが落ち着かない。 ソフトがよければ、ハード(ハコ)はどうでも関係ないはずなのに。 こういうところへ来て初めて、恵まれた環境に対して有難く思える。 それはそのまま、この映画の中のコロンビアの人々の現状を見て、日本人は甘いよなー、と思ったりするのに似ていた。 コロンビアのバラ農園で単純作業をして働くマリア。 男手のない家庭で、母親も子育て中の姉も、マリアの収入をあてにしている。 農園の主任の理不尽な扱いに嫌気がさし仕事を辞めてしまい、妊娠していることをつきあっていた男に告げると、嫌々プロポーズしているのが透けて見え、マリア自身も彼を愛していないことに気づき別れてしまう。 収入もなくなり、妊娠についても先の見えないことで切羽詰り、「運び屋」の仕事に足を踏み入れてしまう。 マリア役のカタリーナ・サンディーノ・モレノの凛とした美しさとは裏腹に、ストーリーには凄みがある。 貧しく追い詰められた生活。 危険を承知で運び屋になるマリアの若さと強さ。 日本人には決して実感できない状況のはずなのに、リアリティが迫ってくる。 アカデミー賞にノミネートされたほどのカタリーナの演技と存在感が素晴らしい。 運び屋の手口がこういうものとは全く知らなかったので、驚いたし、恐ろしかった。 麻薬の粒の異様さと、それを身体に収め、出てきたものをまた体内に戻すシーンの不快感。 映画は運び屋という行為をあからさまに非難するのでなく、こういう異様さ不快さを映し出すことで、静かに問いかける。 警察に捕まる者も、密輸業者に殺される者もいる。 マリアは運命に導かれるようにその隙間を潜り抜け、紆余曲折の末、なんとか報酬を受け取るが、その間の緊迫感は、下手なサスペンス映画より余程ハラハラさせられる。 そして最後、希望の溢れるようなマリアの前向きな決心を、爽やかに見送ることになる。 マリアは厳しい状況で真剣な、眉間に皺を寄せて苦悩の表情をしている時が多いが、だからこそ、唯一、病院で検査中にお腹の子の心音を聞いている時の穏やかで嬉しそうな笑顔が印象的だ。 アメリカでマリアが幸せになれるかどうかはわからないが、強く優しい母になることは間違いないだろう。 原題は"MARIA FULL OF GRACE"。 邦題を考え出したのはどんな人だろう。 珍しく素敵な邦題。 ★★★★★ コメント
TBありがとうございます
僕はすべてを理解しあえたラストシーンが、強烈に力強く印象的でした ああいう世界もまだある現実・・もっと直視する必要がありそうです
| zattchi | 2005/10/30 5:19 PM |
zattchiさん TBとコメントありがとうございます。
ラストシーンは、マリアの新たな人生への旅立ちを象徴するような、光のあふれるいいシーンでしたね。 >すべてを理解しあえた というのはブランカと、ということでしょうか? 私はこの2人は結局、もの別れに終わったと感じました。お互いの出発を、言葉を交わさなくても称えあう気持ちはあったとは思いますが。
| mambotaxi | 2005/10/30 6:50 PM |
TBありがとうございました。
たしかに気の利いた邦題ですね。 私は、シネ・アミューズの安っぽさ(失礼!)が、けっこう好きだったりします(笑)
| chatelaine | 2005/10/31 12:46 AM |
chatelaineさん TBとコメントありがとうございます。
アミューズなんですけど、私も嫌いではないんですー。 ただ、最初に座った席が傾いていたような気がして、びびったんです…。それと、飲食OKにして欲しいなあ。
| mambotaxi | 2005/10/31 9:47 PM |
TBさせて頂きました。
眉間のシワと笑顔について、全く同感です。 ラストの表情はおだやかで本当にマリアのようでした。
| bakabros | 2005/11/24 4:04 AM |
bakabrosさん コメントとTBありがとうございます。
美しい女優さんですが、穏やかな笑顔を引き立たせるために 常に厳しい表情をしていたのかしら、と思ったりしました。 映画は初出演だそうですが、ラストの神々しいほどの表情は 余裕すら感じさせますね。
| mambotaxi | 2005/11/24 12:23 PM |
TBありがとう。
コロンビアから日本に、多くの出稼ぎ女性が、風俗中心に来ていました。 また、現在でも、東南アジアの女性たちが同じように、ミュールによって、日本に大量の麻薬を持ち込んでいます。 遠い世界では、ないと思いますね。
| kimion20002000 | 2006/04/15 11:45 PM |
kimion20002000 さん TBありがとうございました。
>遠い世界では、ないと思いますね。 どうしても行く側の視点で考えてしまいますが 日本でも有りうる話なんでしょうか。 まだまだ私なんかには想像がつきません…。
| mambotaxi | 2006/04/21 1:53 PM |
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