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映画「クィーン」に見る保守と革新の共存
映画 「クィーン」 THE QUEEN

まだダイアナが皇太子妃だった頃のロンドンに旅行に行った時、かのマダムタッソーでウエディングドレス姿のダイアナを見た。 まだ別居さえもしていない頃で、私の中ではシンデレラ姫そのものだったダイアナを、例え蝋人形とはいえ間近で見て感激したのだった。

ダイアナが交通事故に遭った10年前のあの夏の終わりの日曜の昼下がり、テレビのテロップを見た時の衝撃を、今でもはっきりと思い出す。 意識してファンだったわけでもないのに、「重体」の次に流れた「死亡」の文字に、涙した。 自分でもその涙にびっくりしたのだが、彼女の波乱の生涯と、これから真実の幸せを掴もうとしていた矢先の突然の訃報に、同じ女性としてどうしようもない、やるせない想いがしたのだ。

以下 ネタバレします。
この映画はあの日の王室を描くという。 しかもエリザベス女王役のヘレン・ミレンはアカデミー主演女優賞を受賞した。 見逃す手はない。


自分たちが何よりも優先して来た伝統と格式に後ろ足で砂をかけるようにして出て行った嫁に対して、舅姑がよく思うはずもない。 しかし、出て行った嫁にしてみれば、そんなものクソクラエであり、愛情の深い、温かい家庭を築きたかっただけ…。 映画を見る限り、女王とダイアナはただ単にそんな関係だ。 そこが、何より「伝統と格式」を重んじ、脈々と続く英王室の中の出来事であるということを除けば。

離婚した息子の妻が事故死したとして、盛大な葬儀を執り行おうとする舅姑はあまりいないだろう。 そこは庶民感情と一緒だ。 しかし、王室は国民と共に在る。 とすれば、国民感情は無視できない。 象徴であり、税金を使っている身だ。 人気絶大のダイアナを切り捨てることは、王室のためにもならないとするトニー・ブレア首相。
信義を取るか、妥協するか、エリザベス女王はさて、どうするか…。 

この映画はダイアナの事故についての映画ではない。 王室とブレア首相の話だ。 
ダイアナが1961年、ブレアが53年の生まれに対し、エリザベス女王は1926年。 ジェネレーションギャップがないはずがない。 それはそのまま国民と王室とのギャップなのか。 
エリザベス女王の重んじる王室の在り方や考え方が、国民とズレてきてしまったのか。

女王は何事も、無私、つまり個人的事情を優先することなく、女王としてのみ生き、イギリスに尽くしてきた。 そしていつでも凛として存在してきた。 それが、離縁した元嫁の突然の事故死で、それまでの生き方すら否定されるようなことになってしまった。 

普通なら、「後ろ足で砂をかけて出て行った」嫁に関してのことで、そこまでの屈辱を受けたのなら、意地でも自分は曲げたくない。 しかも自分を曲げることは王室の伝統を変えてしまうことだ。 絶対にしたくない。 はず。 
でも女王は苦悩と思案の果てに、ついにブレアからのアドバイスを受け入れ、国民に歩み寄る。

しかし、立派だったのは女王だけではなかった。 国民がどう感じ、王室に何を望んでいるか、ブレアは敏感にキャッチし、それを王室に上手に橋渡しした。 初めはヤンチャなだけの印象だったブレアが、首相としての仕事をこなした瞬間だ。 
ブレアの労働党は、保守党に対する革新派らしく、スタッフも妻も、見事なまでに王室を小バカにしている。 しかし、女王と再三話すうちに、ブレアは王室の厳格さや、女王の偉大な人間性を理解する。 そして精一杯の譲歩をした女王に、称賛と感謝をするのだ。

保守と革新は、対立軸だけで語られがちだが、本当はそうではないのではないか。 

伝統を重んじるあまりに何一つ変化させずにいると、古臭くなるだけだし、逆に、新しいものばかりを尊重し、伝統を軽んじていると、本当に大切なものが見えなくなり、何が正しいかがわからないだろう。
 
両者が歩み寄ってこそ、正しい道を見つけることができるのではないだろうか。

イマドキの若いモンは…とか言うのは簡単。 だけど、自分も若いときには年長者からそう言われていたのだと思い出して、少しは若い人を理解してみようとすることも大切なのだ。 それは私自身が「新入社員なんて理解できないわ〜」と思っていることへの戒めでもあるのだが。 新人クンたちも、素直にね〜。


さて、やはり役者についても触れなくてはならないでしょう。

ヘレン・ミレンはさすがに素晴らしかった。 あの威厳と貫禄と美しさはやはり特別で、アカデミー賞に相応しい。 文句なしです。 もちろん女王本人よりずっと若いわけですけど、雰囲気をすごく真似ていたと思う。
アカデミー授賞式でも私の中ではベストドレッサーだったけど、本当に、こういう風に年齢を重ねたいものだ。 あの時の、二の腕が隠れたドレスは絶妙でした。

現実の、しかも在職中の王室の面々や首相を映画にするということに対するプレッシャーはあったと思うけど、なかでも、イメージを壊さず、なお演技もしっかり、というキャスティングは苦労しただろう。しかしこのキャスティングの妙という点でも、この映画は素晴らしい。  
ブレア首相は役者より本人のがハンサムという逆転現象が起こったが、それでも、雰囲気はバッチリだ。 くるっとした瞳と尖った鼻。 生意気そうな感じがそっくり。 チャールズはちょっとイメージと違ったが、それでも見てるウチに似ているところを探して自然にチャールズに見えてくるから不思議。

私が一番ウケたのはブレア首相夫人・シェリーだ。 あの頓馬な女王との謁見の場面やブレアに対しての忠告は、イギリス本国で人気が高くないのかと想像させるが、そんなことより、私は彼女が某国のファーストレディ、A部A恵氏に見えてきたからだ。 似てないか、顔? なーんか勘違いしてるという点でどうもA恵夫人に見えるのか。

役どころとしてはエリザベス女王の母親、エリザベス皇太后がとても可愛くて魅力的だった。 ユーモアのこもった毒舌が、映画の緊張感のなかで一服の清涼剤だ。

映画は実際のニュース映像などを巧みに引用し、役者のシーンと上手に組み合わせ、リアリティも上々。 
しかしながら、王室とダイアナの確執の本質、そして、チャールズがダイアナについて、正直どう思っていたのかは描かれなかった。 それはどんなに取材を重ねても計り知れない女王や皇太子個人の心の奥底にしまわれているということなのでしょう。

そういえば、私がロンドンに行った2度の旅行で、2度ともバッキンガム宮殿に旗は上がっていなかった。 どちらも夏休み時期だったので、女王も休暇でお出かけだったのだろう。 衛兵交代の式はどんなものかわかっていても旅行者には興味深く、楽しい。 バッキンガム宮殿は私にとっては衛兵交代を見る場所だったが、あそこにあのエリザベス女王がいらっしゃるのだと、改めてあの場所を思い出す。

奇しくも今日、4月21日はエリザベス女王の誕生日。 ヘレン・ミレンの主演女優賞受賞で最近はご機嫌という。

クィーン@映画生活 

日比谷シャンテシネ レディスデイ ★★★★
| movie theater | 19:56 | comments(2) | trackbacks(20) |
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| - | 19:56 | - | - |
mambotaxiさま、こんにちは。
私も、ブレア夫人はアッキー似だと思いました!感じ悪かったですねあの人(笑)
ヘレン・ミレンの演技も、映画全体の雰囲気も楽しめました。
ではでは〜。
| | 2007/05/14 8:37 PM |
真紅さん、ですよね!
TBとコメント、ありがとうございます。
やっぱりアッキーに似てるでしょ!?
思いますよねー。
ヘレン・ミレンの威厳には圧倒されました。
まさしく女王の気迫でした。お見事です。
| mambotaxi | 2007/05/14 10:22 PM |











http://mambotaxi.jugem.cc/trackback/407
この記事に対するトラックバック
【映画的カリスマ指数】★★★★☆  威厳の壁、世論の波にゆれるクイーン  
| カリスマ映画論 | 2007/04/21 9:02 PM |
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| きららのきらきら生活 | 2007/04/22 2:01 PM |
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| Sweet* Days | 2007/04/22 2:47 PM |
ヘレン・ミレン主演 「クィーン」観てきました。「クィーン」公式サイトあらすじ:1997年8月31日、英国王室のダイアナ元皇太子妃が、パリで交通事故に遭い逝去してしまう衝撃的なニュースが全世界に流れる。ダイアナ元妃の訃報を悼み、その日から全世界は悲しみに包ま
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| 利用価値のない日々の雑学 | 2007/04/22 7:55 PM |
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| CHEAP THRILL | 2007/04/23 12:51 AM |
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