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映画「つぐない」
ストーリーは宣伝で知っていて、鑑賞中に結末も見えてきて、どうにもやるせない話で、悲しいだけなのに…と思っていたが、これは観てよかった。

時は1930年代。裕福な家庭の姉妹、美しいセシーリアとまだ幼いブライオニーは、庭師の青年ロビーとは身分の垣根を越えて仲良くしていた。 ブライオニーにとっては淡い片思いだったが、セシーリアとロビーは強く惹かれあっていた。 ブライオニーは二人に対する嫌悪感と無自覚な嫉妬のため、ロビーをある事件の犯人に仕立て上げてしまう。 ブライオニーのその嘘のせいで引き裂かれた二人はそれでも愛し合っていた。 小説家となった妹は、何十年も経ってから、懺悔の告白を込めた小説を書き記した…。

セシーリアとロビーが互いの気持ちを確認してから引き裂かれるまでは、ホンの一晩の出来事だが、だからこそ、痛みが深い。 二人の間にはそれまで積み重ねた時間がたくさんあったことがわかるし、短ければ短いほどそれに囚われてしまうものだ。

ブライオニーの青臭い嘘には辟易するが、女の子って偶に心底、意地悪くなれるものだ。 しかもこの嘘がどれほど罪深いか、本人がわかっていないところが手に負えない。 痴漢冤罪事件みたいなものだが、ウラのなさそうな幼い名家の子女の証言と、使用人の「それでも僕はやってない」発言では、言葉の重みが違ったらしい。 
しかし、時を経てブライオニーは自分の罪深さを理解する。

時間の流れによって解決することがある。 一時の激情は収まるかもしれないし、環境が変わって自然にどうでもよくなるかもしれない。 
しかし、時間が経っても解決しない問題も確かにあるのだ。 そう、時間は取り戻せないから。

嘘によって引き裂かれた二人は、戦争によって再び離れることを余儀なくされる。 何年経っても互いの気持ちは変わらないのに、時間だけが流れ、決して結ばれない二人。 時代のせいもあるが、命あればこそだ。 生きていればまたいつかどこかで巡り会うこともあったかもしれないのに。
   
罪をつぐなう相手は亡くなり、罪を背負ったブライオニーだけが残った。 終生、自分の罪深さに苦しむが、もう贖う相手は存在せず、許されることもない。 もう時間は解決の糸口にはならないのだ。

いつか、いつの日にかきっと、と思っていても、それが叶わない時が来る。 私にとってはそれを胸に刻むための物語だった。

映画は構成が巧みで、一つの事実を違う視点から再び見せたり、現実と想像を交錯させたりして気を抜けない。 ブライオニーの心の旅路の物語でありながら、一つの作品として巧妙だ。 時間軸を行き交うことで余計に心理描写が浮き彫りになる。 人の気持ちと言うのは現在だけに存在するのではないし、事実と思っていたことが、視点を変えることによって別の意味を持ったりもするからだ。 その意味で、この映画の構成は人間心理そのもののような気さえする。

それにしても、キーラ・ナイトレイの美しさには凄味が加わってきたと思うのは私だけではないだろう。 ヤワな男優を持ってきては不釣合いで気の毒ですらある。

ブライオニー役は年齢に合わせて三女優が交互に演じていたが、幼いブライオニーのシアーシャ・ローナン、ませた感じが良かったと思う。 キャサリン=ゼタ・ジョーンズやら、ミシェル・ファイファーやらと共演するらしい。 今後注目。

私がアカデミー賞を決めれるなら、今年の作品賞はこれ。

JUGEMテーマ:映画
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 『一生をかけて 償わなければならない罪があった。 命をかけて 信じ合う恋人たちがいた。』  コチラの「つぐない」は、ブッカー賞作家イアン・マキューアンの「贖罪」を映画化した4/12公開となったPG-12指定の大河ロマンスなのですが、観て来ちゃいましたぁ〜
| ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2008/05/11 12:19 AM |